昨年、2名の社員が退職しました。両名ともMR。1人は若手MR、もう一人はベテランMRです。それぞれ退職に特徴がありました。
【目次】
若手MRの退職(他の製薬会社に退職)
彼は30歳半ばのMR。
大学病院を担当しており、業績も上々!性格もいいし、おそらく将来、出世するだろうなと思える人材です。
よく言われる「できるMR」です。
半年前、彼と話していると、転職を考えているとのことでした。
会社が今度、苦しい経営状態になりつつあるというのは、経営幹部の話、会社の業績、新薬のパイプラインなど見ても、薄々感じていたようです。
また、会社の方針にも疑問を思っており、会社姿勢に嫌気がさしているようでした。
泥船が沈む前に行動しないとやばい!と思ったのか、ITパスポート、FP、簿記、セキュリティマネジメントの資格も取得していました。
転職活動をした結果、オンコロジー領域を得意とする会社に転職が決まったようです。
出社最終日に話ましたが、なぜか活き活きとしていました。
オンコロジーの会社がどういう会社なのかは知りませんが、勇気をもって転職していった彼の活躍を影ながら応援したいです。
ベテランMRの退職(調剤薬局に転職)
一方、ベテランMRの退職です。
私の同僚が、1年前に役職定年となり、営業所長を下りて特約店担当者になりました。
しばらく働いていましたが、しばらくすると退職するとの連絡がありました。
本当の理由はわかりませんが、両親の世話が必要であり、実家に戻らなければならない・・ということになっていました。
噂で入ってきた情報では、特約店担当者として現場を回ってたものの、モチベーションがまったく上がらず、やりがいを感じなかったと言っていたようです。
やり甲斐を感じない?ううん・・。私もそうかも。
その方は所長を長くされており、仕事ができる方で、またプライドもある方でした。
いろんな情報を総合すると、仕事が思うように進まず、また、自分自身が会社に評価されていないと感じていたようです。
「少し待ってみてはいかがですか?」と伝えても、「もう決めたことだから」という言葉しか返ってきませんでした。
その選択肢しかないようでした。
私は、プライドなんてどうでもいいことだと思っています。
ベテランはベテランのいいところがありますし、せめて、年下上司をバックアップするとか、部署を盛り上げるとか、業績アップのために率先垂範するとか、年下メンバーに指導するとか、そんな前向きな考えて仕事してほしかったですね。
2人の退職から思うこと
退職する人の本当の「辞める理由」というものを会社もしっかり把握すべきだと思います。
しかし、本音は言いません。
もし退職理由が社員のモチベーションに関わるものだとすれば、早めに対策を打たないと、また退職が連鎖する可能性だってあります。
特に若手社員の退職は、会社にとってもデメリットです。
会社も、だれが辞めようと引き止めず、「人はいくらでもいる」というような態度を取れば、会社としての魅力が半減し、また愛社精神もなくなり、自社製品への愛着もなくなっていきます。
自社の製品に「製品愛」がないと、プロモーションも前向きになれず自社品の説明も説得力に欠けることになります。
会社も余裕がありません。
「愛社精神や製品愛もいいけど、とにかく売上を上げてくれ」
これが本音のかもしれません。
しかし、社員を大事にしない会社はいずれ衰退していくと思うんです。
もう20年以上前の話ですが、会社に恨みがあって退社したMRが、マスコミに不正をリークし、新聞で大々的に取り上げられ、結局、社会的制裁を受けることになりました。
経営理念など、きれいごとばかり言葉を並べても、行動が伴っていなければ意味がありません。
今まで以上に社長のリーダシップが問われる時代になったと言えます。