会社員である以上、いつかは会社を退職するときがきます。
今は取締役、部長、課長でも、会社を退職すればただの人。
役職は過去のものとなります。
輝かしい時代の名刺?をいつまでも持っている人がいます。
「私は昔はこんな仕事してまして・・」と差し出す人が現れます。
ひどいときは、時が経ちすぎて折れ曲がっていたり、変色している名刺もあったり。
そういう人はいつまでも過去の栄光にとらわれているのです。
60歳を越えれば、「役職」から「生きがい」に、大きく舵を切っていきましょう!
【目次】
過去の名刺を持ち続けている元支店長
先日、10年ほど前にお世話になった薬局長とプライベートで食事をしたのですが、その際に、こんな話を聞きました。
「そういえばさ、私の薬局に、昔、御社の支店長だった人が挨拶に来たんだよね」と聞きました。
話をしているうちに、その人は、私の会社の元支店長のKさんとわかりました。
現在、定年退職され、ジェネリックの製薬会社でMRをしているとのこと。
その名刺を持ってきて、「私は昔、製薬会社の管理職をしてまして・・」とその頃の名刺を出してきたようです。
その名刺を見て、薬局長は心の中で「だから何?」と思ったとのこと。
そんなことよりも、安定供給してくれと言っていました(笑)
プライドが邪魔をする
またこんな話もありました。
私の上司(所長)だった人は、薬剤師免許を持っており、退職したら「薬剤師免許があるし、心配ないだんよ」と言っていました。
退職後、薬剤師の就職を探してみたものの、過去の経歴は何の役にも立たず。
(薬剤師経験がないので、当然と言えば当然ですが・・)
就職先はなかなか見つからず、半年間は無職状態だったようです。
ようやく、遠方のあるドラックストア(調剤薬局併設)の薬剤師に就職。
しばらく、研修期間として、若い薬剤師と一緒に働いていましたが、プライドが邪魔をして、頭を下げることが苦手だったようです。
1か月の研修期間も終わり、一人で働くことに。
一人になると、わからないことがあっても誰にも聞けません。
近くに医療モールもあり、いろんな診療科からの処方箋もくるようで、不安の毎日を過ごしていたようです。
患者からのクレームも多く、精神的なストレスはかなりのものだったようです。
結局、半年でその調剤薬局を辞めたとか。
私も上司と部下の関係でなければ話をしたくない。
そんな人でした。
初めての人に合う場合、名刺があると、その人の人となりを知ることなできるため、相手にも安心を与えることができます。
(逆の立場も同じですが)
仮に資格を持っていたり、コミュニティや趣味等の団体に所属しているのであれば、そのことが書いている人もいます。
(人は肩書に弱く、また本人も実力以上に見せたがるものです)
再就職先の名刺では、何の役職も付いていない場合はどうでしょうか。
過去の役職をいつまでも執着する人であれば、今の就職先の名刺を出さず、過去の役職が付いた名刺を出したいと思っているに違いありません。
(仮に出さなくても、ちゃんとカバンの中にあったりして)
同窓会の出来事(肩書に縛られる同級生)
40代後半に、高校の同窓会がありました。
同級生のひとりのA君が、ある一部上場会社の部長に昇格。
同窓会では、その名刺を大量に配っていました。
おそらく自慢したかったんだと思います。
ちなみに私は、その同級生にいただいた名刺をまだ持っています。
55歳の年に、また同窓会がありました。
参加した際、「A君、今回は欠席らしいよ」と聞かされました。
噂では、リストラにあって、今は無職になったようです。
同窓会で「今は無職なんだ」とは言いたくないのでしょう。
気持ちはわからないでもないのですが、プライドにこだわり続けているA君が可哀そうに思えました。
55歳から60歳は、定年という着陸態勢を整えていく期間
若い時は、がむしゃらに働き、成功体験がプラス作用として働いて、自信がついてきます。
「同期には負けたくない」「1番出世を目指すんだ」というライバル意識も芽生え、何とか成果を出そうとします。
会社人生を振り返ってみると、35歳から45歳までが最もモチベーションが高く、成果も出し続けた年齢でもありました。
一方、55歳を超えた年配者はどうでしょうか。
55歳を越えれば、役職が外され、精神的にダメージを受けます。
さらに体力的にも無理はできない年齢となり、行動力も落ちてます。
不合理な評価、社内での立場、働くうえで、プラス要素はありませんが、マイナス要素はたくさんあります。
55歳以上は、いかにモチベーションを維持するかが重要です。
しかし、いずれあと数年で定年退職。
安心して着陸態勢を整えていくか、55歳から60歳の5年間は大切な期間になります。
60歳以降は生きがいを見つけよう
60歳以降のことも考え、以下の点を考える必要があります。
- 収支を考える(収入を確保する)
- 資格と取る(再就職)
- 人間関係を構築する(老後、生きがい)
- 家族を大切にする(終活を含め)
- 生きがいを見つける(人生を楽しくできる)
生きがいを見つけることは、定年後、生活する上では重要な要素となります。
私は、地域のボランティア活動に参加しています。
ちなみに私の趣味はカメラですが、地域ボランティアでカメラ講座で講師をしています。
参加者は高齢者が多いのですが、実際に撮影した写真を見えてくれてニコニコしながら話してくれます。
「先生、私は写真が生きがいになりました」
「人生楽しくなりました」
「次のどんな写真を撮ろうかと楽しみで仕方がありません」
「夫婦で撮影に行く予定です」
など、多数の喜びの声を聞くと心から嬉しくなります。
私にとっても生きがいです。
- 会社で経理をしていた
- マーケティングをしていた
- Webライターをしていた
- HPを作成していた
- エンジニアだった・・など。
きっと役に立てることがあるはずです。
「人のために役に立つ」
これが生きがいにつながっていくことは、経験からでもわかります。
今からでも遅くありません。
生きがいを見つけるためにまずは行動してみましょう。