製薬業界の花形といえば、MR職。
高収入で安定。しかも福利厚生も充実しており、待遇もよい。
医薬品をを通じて社会貢献ができるMRは人気の職業です!
なーんていうのは、過去の話。
今ではMR大リストラの時代に入っています。
MRの将来はどうなっていくのでしょうか?
私たちMRがこれから備えておくべきことはなんでしょうか?
【目次】
社内ではイエスマンが幅を利かせている
私の会社では営業本部の下に支店がぶらさがっています。
責任者は営業本部長(支店は支店長)。
それら幹部の周りにはイエスマンしかいません。
意見をする人間は排除され、出世ができないのです。
つまり、部下はいかに上司に気に入られるかが最優先事項となっています。
責任を取りたくない管理職
責任を取りたくない管理職は、次のような傾向があります。
- 仕事は部下に丸投げ
- 自分で判断できない
- 指示ができない
- 喜怒哀楽が激しい
- 指示があっても途中でコロコロ変わる
そんな上司いませんか?
少なくとも私の上司(営業所長)はそうです。
部下がミスをすると、「何してるんだ!」と怒るのですが、
具体的な指示は出さず、「うまくやれ」「考えろ」とし言いません。
そんな管理職の優れている点をひとつ上げるとすれば、
「責任回避能力に優れている」ということでしょうか(笑)
例えば、現場で起こっている様々な問題点があるとします。
風通しの良い職場では、悪い情報でも上層部まで上がります。
風通しの悪い職場では、悪い情報は上層部には上がりません。
というか、上層部まで「上げません」が正解ですね。
悪い情報を上層部の人間に上げれば、管理職として管理できていないと判断されます。
そう、自分にマイナス評価が出てしまうからです。
昔のような男気のある上司はいなくなりました。
自己保身だけに熱心な管理職が多くいます。
MRが疲弊していく環境
売上が悪くなってくると、決まって現場の人間(MR)が標的の的にされます。
売れないのは「MRに能力がない」「言う通りに動かない」と判断されます。
MRは毎日書く日報情報は信じず、調査会社の高額なデータを買って分析します。
そう、調査会社からのデータを信じるのです。
なぜなら、MRは嘘を書くという前提なんです。
そしてMRを動かすために、MRレベルアップ策が打たれます。
- 研修(MR任せ。自分で勉強しろ)
- 試験(重箱の隅をつつく問題が出題多数。現場では使えない)
- ロープレ(役に立たない設定で実施)
- 報告会議(単に上司の報告のための会議。1回しか使わない資料多数)
MRが本来の仕事(営業)が減り、内勤業務が増えていきます。
朝から晩まで報告と資料作り。
一度使ったら二度と使わない資料もたくさんあります。
そしてMRは疲弊していくのです。
先日、MSから「御社のMRは、なぜかみんな疲れた顔していますね」と言われたことがありますが、あたかも間違いではないと思ってしまいました。
過剰なコンプライアンス
最近、コンプライアンスが強化され、違反すれば降格となります。
このため管理職は守りの姿勢に転換しました。
ことあるごとに、
- 前例がない!
- リスクがあるからやらない!
- 誰が責任を取るのか!
そんな言葉が日常茶飯事で会話の中に出てきます。
これではチャレンジなんてできません。
コンプライアンスが厳しくなるあまり、
- チャンレジ精神が失われる
- 柔軟性を持った活動ができない
- スピード感が失われる
- 保守的傾向が強まる など
製薬会社は生命関連企業であるため、当然、高いコンプライアンス意識が必要です。
業界でも「医療用医薬品の販売情報提供活動監視事業」が立ち上がり、製薬会社の活動が監視されるようになりました。
このような状況の中、企業としても「守りの体制」にならざるを得ないのです。
この「守りの体制」には、多くの事例を想定しないといけません。
そして、守り体制の仕組みはさらに強化されます。
- コンプライアンス研修の強化
- 管理システムの強化
- チェック体制の強化
- 報告制度の強化
過剰な管理システムの中で、MRの行動も大幅に制限され、モチベーションが低下していきます。
社員のチャレンジ精神を消失させ、その「企業らしさ」がどんどん失われていきます。
また、売上体制重視の企業では、会社からのプレッシャーと過剰のコンプライアンスから報告できず、「抜け道」が横行して、さらにコンプライアンスの低下を招く場合もあります。
この結果、成長する機会をどんどん逃していきます。
MRが置かれている現状
では、この状況の中、MRはどのようになっていくのでしょうか。
- 愛社精神の消失
- 監視されている窮屈さ
- 監視側(上司)、監視されている側(MR)の関係悪化
- 研修、会議の増加による営業時間の短縮
- 階層が増えることによるスピード感消失
- 得意先への対応遅延
コンプライアンスはもちろん大事ですが、過剰な対応によって、ビジネスチャンスや成長の機会が失っていくのではないかと、危惧しています。
できることは決して多くはありませんが、今後、MRをどう活用していくのか、経営者の腕の見せどころです。
MRも自己研鑽が必要
医者や薬剤師が自ら情報を得る時代になってきました。
MRがいなくても必要とする情報は、ネットから情報収集できます。
そういう意味では、現在のようなMRは、将来性の厳しい業種であると言えます。
MRの仕事は特殊であり、他の業界に行っても役に立たないケースが多く、端的に言うと、つぶしが利かない業種です。
今後、MRの業務内容自体が大きく変わってくるはずです。
この状況をチャンスだと捉え、「いつ転職しても大丈夫!」と言えるように、自らスキルを磨き、準備しておくことが重要です。