みなさん、こんにちは。またもや早期退職募集のニュースです。今回は、眼科用医薬品で国内トップシェアを誇る参天製薬。製薬会社の早期退職募集が続く現状に、複雑な思いを抱いている方も多いのではないでしょうか。
「まさか、あの参天製薬も?」
そう思った方もいるかもしれません。参天製薬は、眼科領域に特化したスペシャリティ・カンパニーとして、高い技術力とブランド力を誇ります。主力製品としては、眼科用VEGF阻害薬「アイリーア」、抗アレルギー点眼薬「アレジオン」、ドライアイ治療剤「ジクアス」などが挙げられます。海外展開も積極的に行っており、世界60カ国以上で製品を販売しています。そんな優良企業である参天製薬が、なぜ早期退職募集に踏み切ったのでしょうか?
【目次】
早期退職プログラムの内容:50歳以上が対象
今回の早期退職プログラムは、2025年度までの構造改革の一環として実施されます。対象となるのは、50歳以上かつ勤続年数3年以上の社員と定年後再雇用社員です。募集期間は2023年10月2日から10月31日まで、退職日は2023年12月31日となっています。
気になる支援内容ですが、退職金に加えて退職特別加算金が支給されるほか、希望者には再就職支援も提供されます。募集人数は設定されていません。退職特別加算金については公表されていませんが、再就職支援制度が用意されている点は注目に値します。
再就職支援制度:メリットとデメリット
再就職支援制度は、早期退職などで会社を退職する社員に対して、スムーズな再就職を支援する制度です。転職先の紹介や応募書類作成、面接対策など、様々なサポートを受けることができます。
メリットとしては、
- 転職先を効率的に探せる
- 応募書類や面接対策で専門的なアドバイスがもらえる
- 再就職に役立つセミナーに参加できる
などが挙げられます。
一方、デメリットとしては、
- 希望の転職先が見つからない場合がある
- 会社によっては求人数が少ない場合がある
- 担当コンサルタントとの相性が合わない場合がある
などが考えられます。私の会社でも過去に早期退職募集があり、再就職支援サービスがついていました。50代後半の同僚は「個人で再就職先を探すよりもはるかに楽で、精神的にもゆとりが持てた」と話していました。もちろん、再就職支援会社の評判は様々です。担当者によって対応が異なる場合もあるでしょう。しかし、利用できるものは利用するというスタンスで、積極的に活用することをおすすめします。
人員削減の光と影:デメリットも多い
人員削減は、人件費削減の有効な手段ですが、同時に様々なデメリットも伴います。例えば、MR(医薬情報担当者)の1割が退職した場合、残されたMRでそのエリアをカバーする必要があります。活動量を落とさずに業績を上げるためには、MRの負担は増大し、残業や疲労、不満の声が大きくなるかもしれません。給料が上がればまだ我慢できますが、減給となると士気は低下し、「もっと給料が良くてやりがいのある会社に転職しよう」という社員が出てくるのは自然な流れです。特に優秀な社員ほど、会社に見切りをつけて早めに転職していく傾向があります。このような状況が続くと、会社の雰囲気は悪化の一途をたどります。
経営者にとっては人件費というコスト削減ができますが、現場の社員はモチベーションが低下し、パフォーマンスが落ちる可能性があります。人員削減は、短期的には効果があるかもしれませんが、長期的に見ると会社の成長を阻害する要因になりかねません。
まとめ:早期退職はキャリアを見つめ直す機会
2022年版の「MR白書」によると、21年度のMR数は5万1848人で、前年度から3.2%減少しています。今後もMRの減少傾向は続くと思われます。早期退職は、会社員にとってキャリアを見つめ直す良い機会です。
「このまま会社に残るべきか、それとも新たな道を探すべきか?」
「自分の強みやスキルを活かせる仕事は何か?」
「将来のキャリアプランをどう描くか?」
これらの問いに向き合い、自分にとって最善の選択をすることが大切です。今回の記事が、皆様のキャリアプランニングの一助となれば幸いです。